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謎の音ゲー「レジェンヌ」について思う事 その4/『Don’t think feel!!』について

 初めてこの楽曲を聞いたときの印象は今でも覚えています。とても素直でダイナミックな楽曲であると共に、歌い手の方々は皆それぞれにとても器用な歌唱を見せてくれて、どの歌い手の歌にもつい聞き入ってしまいました。中でも個人的なお気に入りは建神百ちゃんの歌唱です。とてもストレートで勢いがありながら、まとまりの良い音源に仕上がっていると思います。

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 この楽曲も比較的初期に公式チャンネルから動画がアップロードされ、長きにわたって宣伝材料として機能してきた楽曲になります。

 カーテンコール同様に勢いのある楽曲ですが、カーテンコールよりも歌曲としてよくまとまっていると思います。特にシンコペーションが分かりやすく、強拍と強勢、ロングトーンの位置関係がとても明確で、歌い手にとっては素直に音源になりやすい楽曲であるだけに、細かいところで歌い手としての「技量」「完成度」を試してきたカーテンコールとは対照的に、自分が歌い手として持つ「世界観の広さ」をいかに見せつけられるかが一つのポイントになるのではないかと思います。それでは曲の中身を見ていきましょー……

 

・幻芭ゆら

 元々シンプルで完成度の高い音源に仕上がりやすい歌い手さんなのですが、余裕のある楽曲なのでその余裕をどう表現に転嫁できるかと期待して聞いていましたが、やはり歌詞やアクセントの聞き取りやすくリズムや音程のブレの少ない、丁寧で聞きやすい楽曲に仕上がっていると思います。AメロBメロには歌唱の明快さから来るスピード感があり、メロディーにも表情があり、期待以上に躍動感のある歌に仕上がっていると筆者は感じました。強いて言えばサビがちょっとコーラス頼みで寂しいかもですね……

・布袋はつ飛

 例えるならアニメのキャラソンのような出来になったんじゃないかと思います。余裕のある楽曲の中で、存分に声質のよさを生かして独自の世界観を披露していると思います。また、音程、リズム共に非常に精度があり、アクセントの位置が分かりやすく歌い手にとってもアクセントを付けやすい曲であるが故に独特の甘さを感じづらく、他の曲にはあまりないシャキっとした仕上がりになっていると思います。綺麗に楽曲になっているんじゃないでしょうか。しかしこのように声を作りながら歌に表情を出すことが出来るとは……声優さん、恐るべしです。

・狛守和音

 こちらもかわいらしい歌声が特徴的な歌い手さんですが、和音の場合は声を作る歌い手さんには珍しく、比較的声の出が早い(アタックが強い?)とでも言いましょうか、出来上がった音源の音楽的な精度ではどちらかというと和音に分があることが多いという印象を受けています。この楽曲でも音程、リズム共に割合丁寧で、更には表情もあり活き活きとした歌が綺麗に音源に収まったなと感じました。惜しむべくはAメロで一か所(体の中駆け巡るー、の部分で)結構派手に音を外してしまっているところでしょうか。筆者はそんなに音程にはうるさくない方で、その上もともと耳もそんなに良くないので多少音を外していても気が付かないこともよくあるのですが、これは前後を聞いていると割と必然的に生まれてしまった、わりに分かりやすい逸脱だと思います。強いて挙げればそれぐらいでしょうか……。

・黒憧ましろ

 とても生き生きとした迫力のある楽曲に仕上がっていると思います。個人的には聞いていて、門山さんの現時点での「完成形」みたいなものにかなり近い仕上がりなんじゃないかなーと思いました。特にいう事なしの歌唱なんですが、ただ(これはあくまで個人的な感想なんですが)余裕を作りやすいだけに、その余裕をいかに発声の自由度や表現に転嫁していくかが問われる楽曲になっていると思うのですが、ましろちゃんは比較的完成に近いキャラクターと表現力を元々持っているだけに、サビなどのフレーズでは少しだけその「余裕」を歌の中で持て余してしまったかなという感じも受けました(具体的な言い方をすれば、こうした歌曲のような勢いのある楽曲の中で、少しサビがポップな感じにまとまってしまったといいましょうか……)。全体を通して勢いのある曲だけに、緩急の演出も中々難しいのではないかなと思います。ただ、表現のまとめ方は本当に見事で、ポップスというレギュレーションの中で評価するならば、完成度は本科生を含めて最も高いとしても可笑しくはないぐらいには素晴らしい歌唱だと思います。

 基本的にこの楽曲は構成としてはーンっ/ーンっク/フィーっル/とシンコペーションに従ってアクセントをつける構想が先に思いつくであろうのに対して、ゆら、ましろ、和音、はつ飛(特にましろちゃんや和音に顕著ですが)はどちらかというと//フィ/(休み)ゆ///ー という感じのアプローチをしていたのが印象的でした。ボリューム感にこそ欠けるものの、結果的に聞き手が歌詞を意識しやすく、軽快で小気味の良い仕上がりになっていると思います。

・蜜目凪緒

 パワーのある歌声が遠くまで綺麗に響きます。『Don’t think feel!!』はテンポこそ早いものの、滑舌に窮屈さがなくロングトーンも多い素直な楽曲になっているだけあって、彼女の発声の特性を生かしやすく、迫力のありややフォーマルチックなところのある歌唱がとても様になっていると思います。特に緩急を伴った規模感の演出に秀でており、凪緒ちゃんの楽曲として考えると100点満点中120点ぐらいの内容になっているんじゃないでしょうか。この曲に関していえば、楽曲としての出来は本科生に全く引けを取らない(あるいは、もしかすると本科生よりも仕上がりがいいかも……?)ぐらいには素晴らしいと思います。

・建神百

 宣材動画では開幕とトリという二つの重要な役割を担っていました。音程やリズムの観点から言っても素晴らしく正確で、この8人の中では最も無難で手堅い仕上がりになっているのではないかと思います。その中に軽快さ、そしてダイナミックさが現れていて、なんというか聞いていてとても納得感のある仕上がりになっていると思います。個人的には8人の中で一番のお気に入りです。

・紗曲なな瀬

 初見ではシンプルさに欠けるなと思ったのですが、何度か聞いているうちに、細部に歌を長く歌ってきたであろう人ならではの様々な工夫が有り、とても聞き応えのある楽曲に仕上がっていることが分かって来ました。歌唱には優れて表情がある上にダイナミックで美しく、楽曲としての全体の物語や構想が一番綺麗に歌に現れている、ちょっぴり高尚なところのある音楽として最も完成度の高い楽曲になっているのはこの歌い手さんの歌なのではないかなと考えます。ただ、やはりサビの高音域をファルセットで処理するところが結果的に初見での歌唱の難解さを深めているような感じは個人的に受けました(この話、地味にこのブログで何度もしてますね……)反面(?)AメロBメロのあたりの構成はかなり分かりいいと思います。

・北咲彪凛

 張りと広がりのある声から非常に美しい音色が歌になっています。音程リズムともに文句なく、表現的にも過不足のないかなり完成度の高い歌が出来上がったのではないかなと思います。その分少しシンプル過ぎるきらいもあると思いますが、ビブラートの小気味良い美しさや、声質や発声の明瞭さから来る楽曲の輪郭の簡明さはとても魅力的だと思います。あやりんの歌には、音源に収まっている以上の潜在性を毎回感じさせられますね……。

 

※アタック……音の出だしの意味です。アタックが強いというのは、音の出だしから最大音量になるまでの時間が短いことを意味します。ただ、人間の歌に対してこの語を使っている人をあまり見たことがないので、単に出足が早い等、もっと的確な表現があるのかもしれません。

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 素直でリズムの取りやすい譜面なのですが、序中盤の密度が薄いためか、何故かexcellentやgoodが出やすい感じがしますね……終盤の物量地帯は初見では面くらうと思いますが、慣れると稼ぎ地帯になると思います。筆者がこのリザルトをアップロードした時点で常駐しているカーテンコール、Be a star、Don’t think feel!! の3曲の中では最後のエクセになりました。

 この楽曲はとてもシンプルなのですが、その中に聞くほどに新しい発見があり、文章にするのにとても苦労させられました。もしまた聞いていて思うところがあれば、後でちょこちょこと編集するかもしれません。手元のチケットも尽きてしまったので、そんなこんなで、今回はこんなところで。

 

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